【書評】価値観は人それぞれ|『ブラザーズ・ブラジャー』佐原ひかり

ブラザーズ・ブラジャー

こんにちは!かーやです。

今回は、佐原ひかりさんの『ブラザーズ・ブラジャー』について紹介していきます。

まず、タイトルから興味惹かれませんか?!

私も、選書リストを見た時に、「どんな内容なんだろう?」と純粋に興味が湧きました。

読み終わった後には「自分の軸があるってカッコいいな」、そんな風に思わせてくれる一冊です。

この記事を読んで、『ブラザーズ・ブラジャー』を読んでみたい!と思っていただけたら嬉しいです。

こんな方におすすめ!

  1. 周りの目線を気にしてしまう方
  2. 人間関係について考えたい方
  3. 自分自身について考えたい方
  4. さまざまな価値観を知りたい方

30秒で分かる!『ブラザーズ・ブラジャー』あらすじ

父(悟)の再婚をきっかけに、新しい母(瞳子)と、弟(晴彦)と暮らすことになった高校一年生のちぐさ。

ちぐさは、仲の良い友人や彼氏がいたが、いつもその場の空気に合わせて行動していた。自分の想い・意見はあるものの、なかなか面と向かって言えない・・・そんな日々を繰り返していた。

そんな時、ちぐさは弟の晴彦が女性用のブラジャーを身に着けている姿を目撃する。

ファッションの一部としてお洒落で身に着けていると主張する晴彦のことを、理解しようと努めるちぐさであったが、なかなか理解できずにいた。

しかし、それを機にちぐさの中で多くの心情的変化が起こっていく。

友人・彼氏との付き合い方、家族との関わり方、晴彦との関係・・・それぞれに悪戦苦闘しながらも真摯に向き合うちぐさの変化に目が離せません!

新たな時代を駆け抜ける青春小説です!

『ブラザーズ・ブラジャー』見どころ紹介!

それでは、『ブラザーズ・ブラジャー』の見どころを紹介していきます!

「価値観」について考えさせられる

『ブラザーズ・ブラジャー』では、それぞれの登場人物の価値観が散りばめられています。

時にはぶつかり、悩みの種になる「価値観の違い」をちぐさの目線から語られています。

映画なんて、観たい作品を観たい人といけばいい。
絵美と毬江ちゃんは観たい。私は観たくない。
それなら、二人でいってくれるのが、どちらにとってもいいはずだ。

引用:『ブラザーズ・ブラジャー』

共感する人もいれば、空気が読めないと感じる人もいるかもしれません。

私は時々、ちぐさタイプの考えをすることがあるので、共感して読んでいました。

こういう部分も、選書本として選ばれた理由かもしれないです(笑)

「中学生のうちはいいけどさあ、高校生になったら父親と二人で旅行とかやめなよね。
ダサいじゃん。」
笑いながら言われて、そうか、と気付いた。
私にとっては、悟くんとの旅行は家族旅行だ。
けれど、絵美にとって、それは家族旅行ではなかった。

引用:『ブラザーズ・ブラジャー』

私にとっての「ふつう」が、誰かにとっては「ふつうではない」ことになり得ることは、誰しも1つ2つくらいは持っているかもしれないですよね。

自分にとってはとても貴重なカードだけど、他の人からすればただの紙切れ。

自分にとっては思い出の場所だけど、他の人にとってはただの空き地。

誰かにとっての特別は、私にとってはふつうで、

しかし、私にとっての特別は、誰かにとってはふつうなんだな。

そんなことを考えさせられます。

「意思」を持つ大切さを学べる

ちぐさは、常に誰かの意見・行動に身を任せるタイプでしたが、晴彦との出会いによって、少しずつ自分自身の「意思」を表現するようになります。

その姿を通して、自らの意思を持つこと、それらを表現することの重要さを教えてくれます。

周りの人に合わせることは、衝突もなく一見すると「ラク」かもしれません。

しかし、人に合わせるだけでは、どこか心寂しい空虚感みたいなものを感じさせることがあると思います。

そのような葛藤も含め、ちぐさを通して感じ・学ぶことができます。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は、佐原ひかりさんの『ブラザーズ・ブラジャー』について紹介しました。

主人公ちぐさを通して、価値観や考え方について学ぶことができる1冊になっています。

少しでも気になった方はぜひ!『ブラザーズ・ブラジャー』を手に取って読んでみてください。

読んだ後、自分自身を振り返る良い機会になること間違いなしです!

最後まで読んでいただきありがとうございました。



 

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